約定価額の20%を委託保証金が下回る状態になると、信用取引の担保能力不足を穴埋めするために追加の証拠金が発生します。このことを追証と言います。
建玉をしている人に追証が発生しているかどうかを予測することは、損切りの決済売りが出てくるかどうかを知るために大切だと思っています。現在の信用買い残が膨らんでいる状況ではなおさらです。通常証拠金の担保率を維持するために、規定の担保率が不足すると『追証』という追加証拠金を差し入れますが、すべての人が追証を差し入れるわけではありません。追証を入れられないため、証券会社の強制決済で信用の建玉の損失確定売りを入れられる=このような状況が発生していれば、通常より多くの売り物が発生します。
『最低保証金維持率』は証券会社によって違う場合もありますが、ほとんどの場合20%の担保維持率が必要になります。
信用取引の場合は保証金の約3倍の取引ができます。例)30万:委託保証金 90万:信用での買建で計算してみましょう。
現在の維持率は20%以上あります。では、20%ラインを計算してみます。約定価額の20%は、
ですから、18万が20%ラインとなります。この計算で必要最低保証金が18万だとわかりました。30万を預けてありますので30万-18万=残りが12万。18万は動かせない保証金で、余裕があるのは残りの12万ということになります。自分の信用での建玉銘柄に12万以上の損失が発生すると、18万の保証金がキープできなくなります。下落率で見れば、
と90万円の約13.3%マイナスが出ている状態(含み損の状態)になったら、保証金を維持するための追証が出てしまうと考えましょう。今回は30万での計算ですが、自分の建玉でも計算をしてみるとわかりやすいです。(証券口座でも維持率のチェックはできるはずです)基本的なお話になってしまいましたが、1度自分で計算方法を追いながら計算してみると覚えやすいので、現物取引のみの方も計算してみて下さい。
パーセンテージのラインは金額が大きくなっても変わりません。そのことから、下落に転じた際に高値から約13%程度下落すると、(建玉を全力でしている場合)追証発生している投資家がそろそろ出てくると予測できます。下落に転じた際に、初期の下落であれば追証を差し入れる投資家も多くいると思いますが、下落基調がずっと続いている状態で追証予測が度々される状態であれば、『追証を差し入れるための資金切れ』の状態も、判断に入れることができるようになります。
| 保証金 |
建玉 |
追証ライン |
| 100万 |
300万 |
300万×20%=60万(必要最低保証金) |
| 100万-60万×100=40万 |
| 40万÷300万×100=13.3・・・ |
| 300万 |
900万 |
900万×20%=180万(必要最低保証金) |
| 300万-180万=120万 |
| 120万÷900万×100=13.3・・・ |
| ※建玉については手数料など一切加味しないで、単純に3倍計算してます。 |
信用取引の場合の担保は、現金以外の有価証券でも可能です。通常、担保は担保価値の目減りリスクなども考え、現金での保証金が望ましいとされていますが、例えば、自分の保有株式を担保に入れて、さらに株式を買えば利幅も狙えるため、有価証券担保の人も多くいます。このことが何か?という人もいますが、下落局面になると大いに関係してきますので、注意をしておきましょう。
担保をどの位どの銘柄で補っているかなどの細かい事はわかりませんが、個人投資家に人気の銘柄は信用担保に入れられている可能性も高く、個人投資家に人気があると言われている新興市場の銘柄を、その証券担保で買っているとも言われています。担保価値が低くなれば追証を入れなければなりません。つまり、個人投資家に人気の銘柄は、下落局面では担保価値の目減りの追証回避のため決済される危険があります。新興銘柄は下落局面では現金化するために売られると言われるのは、このことも理由の1つです。この事から、
- 新興銘柄では下落局面で下落がきつくなる可能性が高い
として、値動きには注意しておきます。また、よく言われるのがソフトバンクなどの個人投資家の人気銘柄です。信用担保にしている人も多いと言われていますので、ここが崩れると幅広い銘柄に影響が出ると言われます。新興銘柄での取引が多い人は、市場指数の他にソフトバンクなど影響が出やすい銘柄の値動きも、チェックしておきたいところです。