株入門 会社四季報見方利用法をチェック!
ノミでもわかる株入門
企業の業績悪化のきざし

 企業が倒産する前に、もしくは業績が悪化する前にその兆しを見つけることができれば、投資資金を全額とはいかないまでも、大部分を逃がすことができるはずです。そのきざしをどうやってみつけるのかを、管理人の独自な考えをもとに解説していきます。

 まず、どうして企業は倒産するのか。
 それは、単純にお金が足りなくなるからです。

 売り上げが減少したり、経営者が経営方針を間違えたり、と様々な要因がありますが、全てはお金が有るのか無いのか、それに尽きます。業績が悪化してくると、まず最初に困るのが当座の支払いです。
 例えば、あなたの収入が減ったとします。だけど、買い物や日々の引き落とし使うお金はそれほど変わりません。
 当然お金が足りなくなりますよね。足りなくなって、まずすることは、貯金の切り崩しではないでしょうか。そして足りないということに気がつくと、使うお金をきりつめて、それでも足りなくなると、いよいよ借金です。
 事業拡張のための設備投資以外の借金なんて、企業だってしたくないはずです。

 企業業績が好調な時ほど、商品を仕入れ、商品を作る材料を多く仕入れたり、かかる経費の支出が増えるものです。
 ですが、好調な時がずっと続くわけはありません。どんな企業だって、好調不調の波はあるのですから。そして、業績が悪くなれば、当座の支払いに使っているお金が減っていきます。

   業績好調時の現金ベースで見た損益。

 @
   売上    100
   仕入    50
   営業経費 30
   利益    20

 だっとします。  そして、売上が落ちても、何も経営が変わらなかったら、

 A
   売上    70
   仕入    50
   営業経費 30
   利益    ▲10

 となったとします。

 現金ベースではしっかり損失が出て、赤字になります。赤字になるということは収入より支出が多くなるということです。
 @で貯金をしてAで切り崩すして、赤字分を補うことになりますよね。
 経費の支出を見直さず、お金が減っているのに気にせず、強気の経営をして売上を回復するだけの経営を続けたらどうなると思います?そして、売上が上がらなかったら・・・
 余剰資金があるうちは良いですが、赤字を出し続ければいつかお金が足りなくなり、適切な方向に経営の舵を切り直さなければ、資金繰りは破綻し最後は倒産ということにもなりかねません。倒産は大げさですけど、とりあえず当座の資金に困って借金が膨れ上がるのだけは、間違いありません。
 ここまでくると、誰の目にもこの企業危ないぞということで、株は売りに売られてどうにもならない状態になっている可能性もあります。
 なので、当座の支払いに使えるお金の比率の悪化を、業績の悪化の始まりと考えていいのではないでしょうか。
 では、業績悪化を見極めるために、IR情報、決算書のどこをみればいいのか。
 貸借対照表(B/S)を見ます。その中で見るところは二つです。何も難しいことはないです。
 流動資産と流動負債の関係を見れば良いだけなんです。
 流動資産とはすぐにお金に変えられる物。流動負債とはおおよそ1年以内に支払らわなければいけないもの。
 スーパーや100円ショップなど毎日現金収入がある小売業などの業種を除いて、流動資産の額が流動負債の額を上回っているのが望ましいです。
 この2つの関係を率で表したものを、流動資産比率と言います。

 計算式は、
 (流動資産 ÷ 流動負債) × 100
 です。

 100%を超えていれば、流動負債より流動資産の額が多いということです。一般的には120%が望ましいと言われてますけど、各業種により違うので同業他社で比較するのが良いです。 
 もう少し細かく流動資産をみるなら、現預金とすぐに現金化できる有価証券などを多く保有していることが望ましいです。
 何故なら企業に余剰なお金があれば、売上が減少しても、経営者が経営に失敗しても、再起できますし、お金のない企業と比べるまでもなく多額の資金を研究開発に回せるわけですから、売上を更に大きく伸ばす可能性も高くなるはずです。

 ただ流動資産比率を見る場合の注意点があります。
 棚卸資産です。直接消費者に販売する小売業なら仕入れた商品、製造業なら商品を作るのにかかった材料や人件費などです。
 これ、企業の利益を見る場合の注意点でもあるのですけど、仕入れた商品、商品を作るのにかかった材料や人件費などは、商品が売れて初めて支出として認められるのです。商品が売れるまでは、経費として認められないので、経費から除外して、将来お金に換えることができる資産、流動資産として計上しないといけないのです。
 なので、棚卸資産は、売れなければただの不良在庫となり、ゴミ資産となるので気をつけましょう。棚卸資産が二束三文の価値しかなければ、流動資産比率が高いというだけで、実際の財務状態は悪いというこもありえるということです。

 企業の決算書を見る時は、最低でも流動資産と流動負債のどちらが多いのかだけは、確認しましょう。

 棚卸資産からでも、業績悪化のきざしをみつけることができます。過去の数期分の決算書をみて、急に理由もなく棚卸資産が増えているか、いないかを見るだけです。
 売上が増えれば在庫も増えるので金額というよりも、過去からの棚卸資産の増加率をみて、急激に増えていたら要注意です。仮に増えていれば、不良在庫の危険性があります。棚卸資産が売れなければ、棚卸資産分の仕入れ代金、製造原価(商品を作るのに使った経費)を経費として計上できないので、在庫として残っているうちは、会社の損益になんら影響をあたえないのです。

 企業の利益と棚卸資産の関係を説明します。

 @とAは、とりあえず現金の支出ベースでの利益の状況と考えてください。

@
   売上    100
   仕入    50(50%)
   営業経費 30
   利益    20 

A
   売上    70
   仕入    50(71%)
   営業経費 30
   利益    ▲10(損失)

 @は黒字でAは赤字です。変わっているのは、売上が落ちたという点だけです。
 仮に@の時は在庫0だったとします。適正仕入率が50%だと考えてください。
 Aの場合の仕入率は、71%になります。しかし、適正仕入率は50%なので、21%売れ残りとなり、仕入代金の支出として認められません。ですので、仕入から除外します。 21%分は在庫となり、棚卸資産に振り替えないといけません。
 で、ここからが大事なんですけど、企業が決算の時にだす決算書の損益計算書(P/L)は、上で説明したお金の流れをまったく考慮してません。あくまでも売上計上している売上にかかった経費を差し引いて、損益を計算しているのです。

 では、損益計算書と同じ考えで利益を算出してみます。
 売上70に対して在庫を除いた仕入率50%だけが、仕入として認めらえるので、50%分を仕入として計上します。

  売上    70
  仕入    35(50%)
  営業経費 30
  利益    5
 こうなります。

 えっと思うけもしれませんけど、お金の流れを考えない損益計算書上では、利益が出てしまうのです。ビックリですよね。
 利益は出ているけど、在庫をいっぱい抱えた先行き不安な状態です。どういうことかというと、利益がお金で残っているのではなくて、在庫として残っている状態なんです。
 在庫が適正価格で売れれば良いですけど、100円で仕入れてた物が50円でしか売れなかったら・・・怖すぎて想像もしたくないです。

 ということは逆に、在庫が少なくて、すぐ現金に換えられる資産を潤沢に保有していて、しかも、借金も少ない、そんな企業の株価が低迷していたら、投資のチャンスかもしれません。
 と以上のことから、企業の利益だけではなくて、棚卸資産と流動資産をチェックするだけで、投資のリスクをかなり軽減でき、もしかしたらチャンス銘柄に出会えあるかもしれません。



-当サイト利用によるトラブルや損害について一切の責任を負いかねます。ご利用の際は、必ず該当サイトで確認を-