はじめての企業財務分析 損益計算書P/L)を分析! ファンダメンタルズ分析注目点をチェック
ノミでもわかる株入門
損益計算書(P/L)を分析する
 
損益計算書 (P/L)は、例えるなら、学校で学期末に先生から貰う通信簿もしくは成績表です。貸借対照表(B/S)と違い、期間を区切って企業の現状がどうなっているかを評価するからです。本決算であれば、12ヶ月。中間決算であれば、6ヶ月。四半期決算であれば、3ヶ月毎に行います。
貸借対照表では長期的な企業の業績を、損益計算書では短期的な業績を見るのに使います。貸借対照表で前期から現金預金などの流動資産が減り、 買掛金などの流動負債が増えていれば、この先この企業はもしかしたら業績が悪化するかもしれないと推測することができます。損益計算書は、期間を限定して 売上が伸びているのか、利益が出ているかを調べるのに使います。そして、どの部分が改善されて利益が出たのか、どの部分が悪化して赤字に転落したのかということも知ることができます。
損益計算書とは、売った金額から支払った金額を引き、利益を出す表です。薄い赤に塗った部分は売上から引く部分で、薄い緑に塗った部分は売上に足す部分です。それでは詳しく説明していきます。
売上高から売上原価(仕入れた商品の金額、商品を製造するのにかかった金額)を引いたのが、売上総利益(粗利益)です。
 売上総利益=売上-売上原価
 80,000=200,000−120,000
売上総利益からも、企業の状態が分かります。
 売上総利益率=(売上総利益÷売上)×100
上の計算式で実際に計算してみると、
 (80,000÷200,000)×100=40%
となります。
これから、商品を仕入れたり、作ったりするのにどれだけ金額がかかっているのかがわかります。ここでは40%ですが、この率が同業他社より低ければ、商品 を高く仕入れているか、もしくは作るのに金額がかかり過ぎていることになります。逆に高ければ、効率よく商品を仕入れているか、製造しているということ になります。
損益計算書
(100万円単位)
科 目 金額
 売上高 200,000
 売上原価 120,000
売上総利益 80,000
 販売費及び一般管理費 60,000
営業利益 20,000
営業外収益 800
 受取利息及び配当金 800
営業外費用 200
 支払利息
 (主に借り入れ金利息)
200
経常利益 20,600
特別利益 500
 投資有価証券売却益 100
 関係会社株式売却益 400
特別損失 300
 固定資産除却損 200
 関係会社株式売却損 100
税引き前当期純利益 20,800
法人税、住民税及び事業税 3,000
当期純利益 17,800
前期繰越利益 1,000
配当額 900
当期未処分利益 17,900
売上総利益から、販売費及び一般管理費(商品を販売するのにかかった金額、大雑把にいえば営業にかかったお金)を引いたのが営業利益になります。
営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
 20,000=80,000-60,000
営業利益の額が大きければ、それだけ本業の業績が良かったということになります。そして営業利益からは、企業の営業、商品力、会社の看板力がどれだけあるかということがわかるということです。
営業利益率=(営業利益÷売上高)×100
実際に計算してみると、
 (20,000÷200,000)×100=10%
営業利益率も同業他社と比べてどうかということになります。率が高ければ高いほど、お金をかけずに商品が売れるということになります。それだけ、独自の商品もしくは技術を持ち、わざわざ営業をする必要がないということです。こういった企業が最も強い企業ということになるのではないでしょうか。このような企業の株は、日経平均株価が大幅に下がっても、小幅にしか下がらないはずです。
営業利益から本業以外の営業外収益(預金利息など)を足し、営業外費用(借入金利息など)を引いたのが経常利益になります。
経常利益=営業利益+営業収益-営業費用
 20,600=20,000+800-200
経常利益から一時的な損益である特別利益を足し、特別損失を引いたのが税引き前当期純利益となります。法人税は、税引き前当期純利益を元に計算します。そ して、特別損益は貸借対照表の資産の部にある、固定資産(工場、機械、店舗、トラックなど)、有価証券(株など)を売買をして発生したものです。
税引き前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失
 20,800=20,600+500-300
税引き前当期純利益の金額は非常に重要です。営業利益、経常利益とあまりにもかけ離れている場合は、不自然だからです。
  • 税引き前当期純利益が損失でも、営業利益(本業)で利益が上がっている場合
その場合、一時的な損失で赤字になっていると考えられます。本業が順調に伸びているのであれば十分損失をカバーでき、株価はいずれ上がるかもしれません。
税引き前当期純利益から、法人税、 住民税及び事業税を引いた金額(税引き前当期純利益のおよそ40%が税金)が、当期純利益となります。
当期純利益=税引き前当期純利益-法人税、住民税及び事業税
 17,800=20,800-3,000
当期純利益からは、当然その企業が、決算であれば、12ヶ月。中間決算であれば、6ヶ月。四半期決算であれば、3ヶ月ごと。その期間内にどの位の儲けが出たのかがわかります。これが、売上当期純利益率です。
売上当期純利益率=(当期純利益÷売上高)×100
上の計算式で計算してみると、
 (17,800÷200,000)×100=8.9%
企業にとって利益率は非常に大事です。この率が少なければ、いくら売上が伸びていても、売上が伸びた分だけ利益の額が伸びないからです。
 A社とB社利益率たとえ話
売上が1,000円の企業が2社(A社とB社)あったとします。始めはどちらも当期純利益率は5%でした。2社は現状には満足せず経営努力します。
  • A社は売上を1,500円まで売上を伸ばしますが、利益率は変わりませんでした。
  • B社は売上は変わりませんでしたが、企業努力により利益率を10%にまで改善しました。
さてどちらの儲け額が大きいでしょうか。
A社は、1,500円×5%=75円
B社は、1,000円×10%=100円
になります。このように企業にとっては、売上を伸ばすだけでなく利益率を改善するのも大事なことなのです。
当期純利益率を鵜呑みにすると危険なので注意する必要があるます。どういう場合かといえば、前期何らかの理由で赤字になり税金を支払っていない場合です。同業他社と比べる場合、上でも説明しましたが、税金はおそよ40%引かれます。その分を加味しないで比較すると正確な比較になりません。必ず税金が引かれているのかを確認して。引かれていない場合は税金分の40%を引いてから比較するようにしましょう。
当期純利益の金額から株主に分配する配当額と内部留保する金額が決められます。内部留保とは、来期以降企業を発展させていくため(設備投資など)に使うお金です。
損益計算書を使って企業の成長性を調べていきましょう。
 売上
いくら利益率が良くても、売上が全く伸びていない企業は成長をしていない場合も考えられます。企業の成長率のを調べるためには、過去3期分の損益計算書を見比べる必要があります。
売上の成長率=(当期売上高―前期売上高)/前期売上高)×100
1,000円の売上が1,500円に伸びた場合の成長率は、上の計算式に当てはめると
((1,500円-1,000円)/1,000)×100=50%
となります。
 純利益率
純利益の成長率=((当期純利益―前期純利益)/前期純利益)×100
となります。
税金の支払いを必ず加味して考えてください。
 同業他社や業界平均と比較してみる
業界平均と比べてどうか、同業他社と比べてどうかを比べるのに便利ではないでしょうか。上の成長率の計算式を使えば、売上総利益率はどうか。営業利益率は どうか。経常利益率はどうか。などさまざまな成長率を調べることができるはずなので、企業分析に役立ててみてください。そして、急成長している企業をみつけて、株式投資をしましょう。
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